男子66キロ級でオリンピック(五輪)2大会銅メダルで、73キロ級の海老沼匡(31=パーク24)が初優勝を飾った。

決勝で20年講道館杯3位の大吉賢(了徳寺大職)に一本勝ち。隅落としと背負い投げで技ありを奪い、合わせ技一本で勝負を決めた。66キロ級で同大会を4度制した31歳の実力者は「階級を上げてから勝ちきれない大会が多く、しっかり優勝したいと思った。減量からも解放され、柔道の楽しさや奥深さを実感しながら、柔道ができている結果だと思う」と振り返った。

先月24日に53歳で亡くなった92年バルセロナ五輪男子71キロ級金メダルの古賀稔彦さんに憧れて、中学から柔道私塾「講道学舎」に入門した。大会直前にもかかわらず先月28日の通夜にも参列し、偉大な先輩の死を悼んだ。「古賀先輩からたくさんのことを学んだ。今日はその勝負魂を持って戦えたと思う。(天国で)ゆっくり休んでほしいです…」と声を震わせた。

73キロ級決勝前には60キロ級決勝が行われ、古賀さんの次男の玄暉(22=旭化成)が初優勝した。所属の垣根を越え「僕なんか比にならないぐらいつらい思いをして…。苦しい中、強い精神力で優勝して胸が熱くなった」と、その勇姿に感銘を受けていた。