NTTドコモが激戦の末に初の4強を逃した。トヨタ自動車を後半31分までリード。逆転された後も最終盤まで攻め続けたが、29-33と4点差に泣いた。快進撃の原動力となった、ニュージーランド代表SHのTJ・ペレナラ(29)は1年契約。チームはすでに引き留めの意思を示し、去就は自身の決断に委ねられる。準決勝以降は日本選手権を兼ね、準決勝(ともに花園)は15日にトヨタ自動車-パナソニック。16日にサントリーが、神戸製鋼-クボタ(9日)の勝者と戦う。

 

トヨタ自動車ゴールは目前だった。終了間際、ペレナラと交代したSH浜野のパスを受け、フランカー佐藤が突進する。しかしジャッカルに捕まった。時計表示82分41秒。4点差逆転のトライを狙ったNTTドコモによる、ベンチ入り23人総動員の猛攻が止まった。

たった4点差。FWはコンタクト負けせず、33歳のCTBパエア、司令塔ペレナラの奮闘もあった。最大8点をリードして強豪を追い詰めた。アッカーマン・ヘッドコーチ(HC)は「こういうゲームは小さなミスから差がつく。勝つチャンスがあっただけに、心が痛む」とうなだれた。

コロナ禍で打ち切りとなった昨季は1勝5敗。大躍進の原動力は今季加入し、ハカの先導役で知られるペレナラだった。世界的スターは1年契約。去就は古巣ハリケーンズ(ニュージーランド)復帰に加え、海外ではオーストラリアの13人制転向の可能性も報じられる。ドコモ側も慰留しており、関係者は「残ってほしい。あとは本人の判断」。同じく1年契約の19年W杯南アフリカ代表WTBマピンピは退団が決定的だ。

アッカーマンHCは「来季は選手も入れ替わる」と出直しを口にした。22年1月開幕予定の新リーグ。入団4年目のエラスマス主将は「文化が変わった。戦う集団になった」と胸を張る。ラグビー界を驚かせた「赤い旋風」は止まらない。