Bリーグ王者を決めるチャンピオンシップ決勝で、レギュラーシーズン東地区1位の宇都宮ブレックスが、同2位の千葉ジェッツに快勝し、1勝1敗のタイに持ち込んだ。6月1日の第3戦に勝った方が優勝となる。4年ぶり頂点を目指す宇都宮は、東京五輪日本代表候補のロシター・ライアン(31)がいずれもチーム最多となる17得点、11リバウンドのダブルダブルを記録。鼻を負傷してフェースガード姿で臨む中で、プレーでも確かな存在感を発揮した。

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まるでバットマンのようなフェースガードを装着したロシターが、空を飛び回るかのごとく躍動した。206センチの長身から飛躍的なジャンプ力を繰り出し、チーム全体として前日に苦戦していたリバウンドを次々と確保。第2クオーターには3点シュートを立て続けに決めるなど、11本中7本のフィールドゴールを沈め、「試合の入りからハードにプレーし、リバウンドも頑張れた」。

チャンピオンシップ準々決勝で鼻を負傷。準決勝から黒いフェースガードをつけて試合に臨んでいる。最初に用意されたものは形状が合わず、リスク覚悟で何もつけず出場することも考えていたそうだが、「幸運なことに、自分の顔の形にぴったりのマスクが間に合った。そのおかげで、いいプレーが出来ている」とうなずく。その姿はSNSでも「格好いい」と評判。順調に回復傾向にあるようで、「しっかり鼻を治せているのもマスクのおかげ」とうなずく。

19年暮れに日本国籍を取得した。日本代表として東京五輪でプレーすることを目指すが、まず4年ぶりの日本一奪還が大きなミッション。「第3戦に向けて集中したい」。宇都宮のバットマンが、チームにタイトルをもたらすヒーローとなる。【奥岡幹浩】