東大が法大に逆転負けも、収穫ある今季初戦となった。

前半は先制に始まり、3FGを成功させて、3戦全勝の法大相手に9-13の接戦を演じた。後半は3TDなどを奪われて9-36と大差がついた。結果は実力差が明らかとなったが、今春1部相手には唯一の試合。大半が初出場の選手には、貴重な実戦経験を積む1敗となった。

「このままでは秋は試合にならない。ボコボコにされる」。試合後のハドルで、森ヘッドコーチ(HC)の口からは厳しい言葉が続いた。さらに反省点が次々と列挙された。一方で「手も足も出なかったわけではない。思ったよりもよかった」とマスク越しに笑みもあった。

法大はメンバーを落としてきたが、ほとんどが経験者で、ここまで日大、早大も連破で負け知らず。東大は逆に未経験者ばかりの上、この試合が「9割方は初めての試合だった」という。「多くの選手がたくさんプレーすることが一番。できるだけ失敗も多い方がいい。いい勉強になる」と臨んだ。

前半は当たり負けずに守備よく、法大の攻撃を封じていた。WR馬渡の71ヤードのパントリターンに、RB佐藤が33ヤードと59ヤードのロングゲイン。このビッグプレーを足場に、いずれもFGに結び付けて2度リードした。OLの昨季経験者は1人も「伸びしろはあるので、基本のランで攻めた」プランは奏功し、手応えもあった。

勝ち越し直後の前半残り36秒から、交代ミスをつかれて42ヤードのランを許す。残り9秒から次のプレーで、27ヤードのTDパスで逆転された。後半は2インターセプトを喫すると、いずれもTDパスにつながれた。

フォルススタートなどボールが動く前の反則が5回もあった。ヘルメットが脱げる選手も頻発。国内では脱げた選手は次のプレーには出場できないルールがある。経験がものをいうDB中心のパス守備で甘さもつかれた。

試合慣れしていない、経験や準備不足によるミスが続いた。森HCは「試合運びはできていない。実戦を経験してないから仕方ない」。この1敗を今後の糧にできるかだ。「払った授業料は回収すること」。森ヘッドはこう言ってハドルを締めた。