バスケットボールB2の仙台89ERSは11日、仙台市内で藤田弘輝ヘッドコーチ(HC、35)の入団会見を行った。仙台は今季、ワイルドカードでB1昇格プレーオフに進出したが、準決勝で敗退。目標のB2優勝、B1昇格には届かなかった。クラブは今季までチームを3季率いた桶谷大前HC(43)に来季の続投要請をしたが、本人の退任の意思を尊重し、双方合意で退任が決まっていた。

Bリーグ初年度の16-17シーズン以来のB1へ。今季までB1琉球でHCを務めていた藤田新HCに白羽の矢が立った。琉球ではチームを2年連続西地区Vに導いており経験は豊富。それでも、B2の舞台は自身初で「選手やスタッフの力を借りてチーム一丸でやりたい」と意気込んだ。志村雄彦GM(38)は「藤田HCが思い描くバスケットができるようにサポートしていきたい」。クラブはこれまでに月野主将をはじめ、仙台市出身の片岡ら主力5選手と契約合意に至り、着々と補強も進めていく。

新指揮官は14年から2年間、B2福島を指揮。東北のチームは2クラブ目だ。「震災から10年を迎えたタイミングで、また、地域の皆さんと一緒に戦えることはうれしく思う」と意気に感じている。強度の高い守備から攻撃へとつなげるスタイルでシーズンを戦い抜く。「選手たちが気持ちをむき出しにして、ファイトする姿をファンの皆さんに見せたい」。契約期間は2年で、8月上旬からチームは始動予定。B1復帰に向けて、牙を磨いていく。【相沢孔志】