札幌山の手の先輩後輩対決となった女子個人57キロ級決勝は、高橋宥良(2年)が高橋杏奈(3年)に出足払いで一本勝ちし、初の全道王者に輝いた。

「先輩には小学生のときから戦ってきたけど勝ったことがなく、ずっと目標にしてきた存在なので信じられない」と驚きを隠せなかった。

「思い切ってぶつかっていくだけだった」と、無心で序盤から積極的に攻め込んだ。激しい展開となったが一瞬の隙を突き、足技で勝負を決めた。今大会前に右肘の靱帯(じんたい)を痛めるケガを負い、直前まで出場するか悩んで迎えた。それでも強い気持ちを持って臨み頂点に立った。「切磋琢磨(せっさたくま)してきた先輩との勝負で複雑だったけど初めて全道で勝てたのはうれしい」と笑顔で振り返った。

20年以上指導に当たってきた伊藤誠一監督(45)は「これまで見てきた選手の中でもトップクラスの実力だと思っている。刀で切るような技のキレがあり全国でも通用するはず」と期待を寄せる。高橋宥は小・中学校を通して初の全国大会出場となる。「内容にもこだわって勝ちたい」と大舞台での活躍を誓った。【小林憲治】