“波乱”を起こした。今秋からバレーボールのVリーグ2部(V2)に参入するリガーレ仙台(宮城)が、昨季V1で5位の埼玉上尾に2-0のストレート勝ち。昨年11月に加入した江川優貴(27=アランマーレ)が、勝利を呼び込む3連続得点などで奮起した。V1KUROBEとの2試合目は、フルセットの末に1-2で惜敗したが、左膝の治療で大会を欠場した大貫菜生主将(25=東海大)に1勝を届けた。

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粘って、勝利を決めた。第1セット(S)を先取し、第2Sは一進一退の攻防。23-24と相手にセットポイントを握られても食らいついた。このセット、江川の連続得点で25-24と逆転すると、最後はセッター加藤優奈(25=尚絅学院大)の「決めてくれ」という思いが込められたトスを左腕で捉えた。ボールは相手のブロックに当たり、ラインの外に落ち、「やったー!」。勝利を決め、コートにいた全員で歓喜の輪を作り「チーム練習でブロックアウトのプレーをやってきて、練習の成果を出せた」と声を弾ませた。

チーム創設初のサマーリーグは11人で臨む。大貫主将が大会を欠場。同期入団の加藤は「大貫自身が悔しいと思うので、自分たちが大貫の分まで頑張ろうと思っていた」。選手の特徴を理解し、それぞれに合ったトスで攻撃を展開。司令塔としての仕事を全うした。

大会2日目の26日は、V2アランマーレ(山形)との予選グループ最終戦に臨む。江川はアランマーレに20年3月まで3年間所属。2年連続でV2得点王に輝くなど、大きく貢献してきた。移籍後初の“東北ダービー”は「楽しみな部分もありますし、お互い知っている仲なので、向こうも対応して、苦しくなると思う」と引き締めた。大学時代に練習試合の経験がある加藤も「絶対に負けたくない。全員で勝ち取るという気持ちを出してプレーしたい」と力を込めた。名刺代わりのプレーで、成長した姿をぶつける。【相沢孔志】