ラグビー日本代表(世界ランク10位)は日本時間3日午後9時、欧州遠征最終戦となる敵地アイルランド(同4位)戦に臨む。

過去の対戦成績は1勝9敗。19年W杯日本大会で歴史的初勝利を挙げている。

相手は4年に1度結成される全英・アイルランド代表ライオンズに主力7人を送り出しているが、191センチ、103キロと大柄なW杯代表WTBストックデールが先発するなど実力者がそろう。日本代表ジョセフ・ヘッドコーチも「相手はホームで85%の勝率あるチームで、とてもエキサイティングな気持ち」と口にする。

日本の注目は海外で成長してきた2人だ。NO8姫野和樹(26=トヨタ自動車)は、前戦のライオンズ戦(6月26日)で後半19分から途中出場。推進力を随所に見せ、チーム唯一のトライを奪った。今季はスーパーラグビー(SR)のハイランダーズ(ニュージーランド)で主力に定着し「自分の強みはボールキャリー(前に運ぶこと)、ジャッカル。SRでディフェンスの部分も手応えがあるので、そこも出したい」と誓っている。ライオンズ戦はボール争奪戦で劣勢。反則を重ね、最終的に10-28で敗れた。アイルランド戦勝利へ、姫野らが強みを出し、争奪戦で優位に立ちたい。

姫野同様にフランスのクレルモンで欠かせない存在になった松島幸太朗(28)は、18年6月16日イタリア戦(ノエスタ)以来、約3年ぶりにFBで先発する。19年W杯では今季限りで現役引退した福岡堅樹氏(28)と両WTBを形成。今回の欧州遠征合流直後には「結構ジャパンだとFBはあんまり自由のない感じ。WTBの方が自由にできて、FBみたいな役割もしているので、そんなに(ポジションを)気にしないようにしている」と語っていた。

松島が長く本職としてきたFBに回ったことで、WTBはシオサイア・フィフィタ(22)と、初キャップとなるセミシ・マシレワ(29)の近鉄コンビ。松島を含めた3人の連係はもちろん、フィジー出身でキレのあるステップが武器のマシレワと、ストックデールの対決など見どころは多い。