全国大学選手権2連覇、秋の関西リーグ6連覇を目指す天理大が、牙城を崩された。前半3分にFWのモールから先制トライを挙げたが、ボール争奪戦で劣勢となる場面があり、前半は12-13。後半に3トライを献上し、試合運びでも焦りが見られる展開が続いた。

秋の関西リーグは15年12月5日の同大戦(10-13)の黒星を最後に32連勝中。春のトーナメントも17年の準決勝で近大と35-35で引き分け(抽選で4強止まり)て以降、全勝で2連覇(20年は新型コロナウイルスの影響で中止)していた。小松節夫監督(58)は「ブレークダウン(ボール争奪戦)で予想以上にプレッシャーをかけられた。目標とするチームができた。夏、秋と修正し、同志社大学に勝って、日本一を目指して大学選手権に行きたい」と冷静な口調で受け止めた。

悲願の日本一をつかんだチームから、3日のアイルランド戦に先発出場したWTBシオサイア・フィフィタ(22=近鉄)らが巣立った。前年度主力だった4年生が抜け、チーム力の底上げが不可欠だ。フッカー佐藤康主将(4年=天理)は「接点の部分を磨かないと、全国で通用しない。切り替えて、秋にリベンジします」と言い切った。【松本航】