ムロオ関西大学ラグビーAリーグは18日、京都・宝が池球技場の同志社大-関大で開幕する。昨季は天理大が全国大学選手権初優勝を飾り、関西勢として36大会ぶりの頂点に立った。日刊スポーツでは新たな風が吹く関西リーグの、注目チームや選手をピックアップしてお届けします。

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36季ぶりに関西勢で大学選手権を制した天理大、ライバルである同大-。両大学を倒し、98年度以来23季ぶりの関西リーグ制覇、そして悲願の大学選手権優勝を目指す昨季3位・京都産業大学の挑戦が始まる。

今季、元日本代表でOBの広瀬佳司氏(48)が監督に就任した。SOとして95年からW杯に3大会連続で出場するなど豊富なキャリアを誇り、昨季はバックスコーチでチームを見つめた指揮官は、まず共同主将制を敷いた。プロップ平野叶翔(4年=西陵)SH広田瞬(4年=天理)NO8桧垣大宇(4年=東海大大阪仰星)。共同主将の1人、桧垣は「僕たちは監督に一生懸命についていくだけ」。新システムについて「チームを区切り、違う視点から目を配って支える。相乗効果が期待できると思う」と語った。

チーム力アップへ、なすべきことは明白だ。京産大のスクラムの強さは、大学ラグビー界の常識。今季も平野共同主将を中核としたFWのセットピースは十分に期待できる。ただ、それだけでトップに立てないのは歴史が証明している。事実、天理大には15年度以来勝っていないし、同大には昨季19-49と完敗した。

桧垣共同主将は言う。「監督が代わって、特に変わったことをしているわけではないです。やってきたのはセットピースの強化と、いかに80分間走り続けられるだけ」。

従来の持ち味に、いかにプラスアルファを上乗せしていけるか。広瀬監督が春先に語ったのは「セットピースには京産ファン、みんなが期待をしている。プラスして相手より運動量で上回って勝つ。それができれば他のこともできるようになる」-。学内のコロナ禍による活動休止の影響で、当初18日に予定された開幕ゲームの摂南大戦は10月24日に延期された。初戦は10月9日、立命大戦。3週遅れのスタートまで、さらに力を蓄える。【加藤裕一】

◆広瀬佳司(ひろせ・けいじ)1973年(昭48)4月16日、大阪・茨木市生まれ。7歳でラグビーを始め、大阪の公立の島本高から京産大に進む。朝練習の前に1人で走り込み、夕方の練習後には居残りでキック練習をこなすなど努力家として知られ、94年に大学3年で日本代表入り。同年10月の韓国戦で初キャップ獲得。大学選手権には4年連続出場。96年にトヨタ自動車入社。98年全国社会人大会で優勝を経験。トップリーグでは04、05年度に2季連続で得点王、ベストキッカーを獲得。日本代表キャップ40。95、99、03年のW杯を経験し、無名の存在から努力で日本を代表するSOになった。