リオデジャネイロオリンピック(五輪)金メダリストのシモーン・バイルス(24=米国)が15日、米国体操協会の元チームドクター、ラリー・ナサル受刑者が多数の女子選手へ性的虐待をしていた事件を巡り、連邦議会で証言し、連邦捜査機関や協会を批判した。

「私はラリー・ナサルと、虐待を可能にした構造自体を非難します。米国協会と、米国オリンピック委員会、パラリンピック委員会は、私が公式のチームドクターから長い間虐待を受けていることを知っていました」。

涙ながらに、糾弾する声は震えた。15年に米連邦捜査局(FBI)が被害の訴えを真剣に取り扱わなかった事実にも、「私はFBIから事情を聴かれたことはありません」と証言した。初動捜査の遅れで、その後も少なくとも40人が被害を受けたことが司法省の内部調査で判明。FBIのレイ長官は「深く心からおわびする」と謝罪した。証言にはバイルス含めた4人が出席した。

数百人の選手を虐待した罪に問われたナサル受刑囚は、18年に最長で禁錮175年の判決を言い渡されている。