今年3月の世界選手権(ストックホルム)で銀メダルを獲得した鍵山優真(18=オリエンタルバイオ/星槎)が、初投入の4回転ループに納得した。

冒頭、公式戦で初めて4回転ループに挑戦。着氷がやや乱れたものの転倒はせず「ループは手応えを感じてます。ステップアウトになっちゃいましたけど、未知の領域というか、新しく3種類目の4回転にチャレンジできた。最後にループを跳んだのが(7月のアイスショー)ドリーム・オン・アイスの練習。それから1回も降りてなくて、でも今日の6分間練習で久々に降りることができた」。4分の1回転不足の「q」マークが付いたものの、初挑戦を笑顔で振り返った。

一方で「ミスする前提」だったというループの後を反省した。続く4回転サルコーが2回転になり「ループをミスしてもサルコーで立て直さないといけなかったのに。そこが悔しい」。最後のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)も1回転半になり「体力的な問題でした。徐々にプログラムの中で呼吸を整えられるようになってきたので、もっと、今までも練習で追い込んではきたんですけど、もっと追い込みたい」と次戦への課題とした。今季2戦目はフリー167・39点の合計261・90点だった。

その次戦は22年北京オリンピック(五輪)テスト大会のアジアンオープントロフィー(13~17日、北京)だ。「SPもフリーも、いい演技をしたい。五輪会場ということで、雰囲気を感じながら楽しむことを忘れずに集中したい」。構成については「今日と同じループ、サルコー、トーループ2本の予定です」と説明。さらに先の、北京五輪代表選考会となる12月の全日本選手権までは大技4回転ルッツは封印し「全日本はノーミスの演技が求められると思うので、無理をせず、全日本まではループ1本で精度を上げていきたい」とプランを口にした。【木下淳】