バスケットボール仙台89ERSの藤田弘輝ヘッドコーチ(35)が前節の試合を総括する「Ascend 89ERS」。今回は2、3日にホーム・ゼビオアリーナ仙台で行われた開幕戦、福島との2連戦を振り返ってもらいました。

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前節の2、3日はホーム・セビオアリーナ仙台での福島戦。開幕戦ということもあり、多くのブースターの方に会場にお越しいただき、とても気合が入りました。しかし、第1戦は第3クオーター(Q)中盤にリードを奪われ、最後までその差を縮めることができず、63-72で敗戦。開幕戦で硬さも出たのか、いつもなら入るシュートも入らなくて自分たちらしさを見失いました。敗戦以上に自分たちのバスケットが全然できなかったので、負け方が悔しかったです。

だからこそ第2戦は「今日は勝たなくてはいけない」という気持ちを出して勝ち切れたことは良かったです。キーマンは、3点シュートを4本決めた神里和(かみざと・なごむ)。和がチームを救ってくれた。思えば彼はチームに早くフィットしようと朝の6時から渡辺翔太とシュート練習を重ねていました。そういうプレーヤーが、まだ小さな成功かもしれませんが活躍してくれたのはコーチとして本当にうれしかったです。

そして、もうひとつ勝因を挙げるとすれば、後半の守備。前半は福島の先回りしたプレーにはまった感じがありましたが、後半はディフェンスのずれを作らないことを徹底できた。2日は40分間ダメでしたが、3日は前半が50点、後半が70点の出来でした。

それにしても連勝したかったというのが本音。たくさんの方に支えられて開幕を迎えられたので、負けて申し訳なかったと思います。今後は守備のソリッド(堅固)さをしっかり持つとともに全員の共通認識を上げていきたい。そして、私もB2のバスケットにもう少しアジャストしていかないといけないと感じました。愚直にやり続けても良くないのかなとかも思いますし、オフェンスももう少し工夫が大事だと思います。でも、本当に楽しいバスケットをやっているプライドはあるので、最終的には形になると自信を持っています。次はホームで連勝できるように頑張ります。

◆第1戦 第1Qからプレッシャーのないシュートを外して得点を奪えず、後半は次第に福島ペースに。試合終盤に一時は追いついて反撃態勢を作ったが、再び詰め寄ることはできなかった。

◆第2戦 神里が初勝利の原動力となった。2点リードの第3Qに、この日2本目の3Pを沈め、直後も連続でシュートを成功し一気に点差を広げた。第4Qにはダメ押しの4本目の3P。その後、リードを守り抜き快勝した。