男子の葛西紀明(49=土屋ホーム)の9大会連続の冬季五輪出場が絶望的となった。合計172・7点で22位に終わり、今季序盤のW杯などに出場する海外遠征メンバーから漏れ、来年2月の北京五輪出場の可能性はほぼなくなった。小林陵侑(土屋ホーム)が合計296・0点で2年ぶり2度目の頂点に立ち、22日のノーマルヒルとの2冠。ラージヒル初開催の女子は高梨沙羅(クラレ)がノーマルヒルと合わせて2種目制覇となった。

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葛西の北京五輪への道は閉ざされた。2季ぶりのW杯開幕メンバー入りを目指して優勝を狙ったが、2回ともK点(123メートル)に届かず22位に沈んだ。「悔しい成績に終わってしまった」。厳しい結果を受け入れるしかなかった。

五輪代表は来年1月6日のW杯終了時点の個人総合上位5人。海外遠征のメンバーから漏れた葛西にW杯出場枠が回るのは、負傷者が相次いだ場合などに限られる。ジャンプを担当する全日本スキー連盟の原田雅彦理事は、選手の入れ替えについて「今のところは可能性はない」と明言した。

それでもレジェンドは飛び続ける意向を示した。「辞める気は毛頭ない。自分が調子良くなればいけるって感触もある。来年50歳になるけど、全く辞める気はないし、ここまで来たらいけるところまで、キングカズさん(三浦知良)のようにずっといきたいなと思っている」と意気込んだ。

視線は26年のミラノ・コルティナダンペッツォ五輪、札幌が招致を目指している30年五輪に向く。「そこまで目指していけたら」と意欲を示した。「金メダルを持っていないから」という燃えたぎる思いはまだまだ消えることはない。【保坂果那】