21年世界選手権男子5000メートルリレー銅メダルメンバーで35歳のベテラン、ユーリー・コンフォルトーラ(イタリア)が周囲を驚かせる奇襲で優勝を飾った。

1周111・12メートルのトラックを13周半する1500メートル。通常は序盤にゆっくりしたスピードで位置取りの駆け引きを行い、中盤以降に最大速度まで上がっていく。だが、コンフォルトーラは1周目から全力滑走。場内がざわめく中、あっという間に1周遅れの2位集団にたどり着いた。

その後、少しの間は1周遅れの2位集団に入り込んだが、集団のスピードが一向に上がらないとみるや、その前に出た。第1戦北京大会優勝のセミョン・エリストラトフ(31=ロシア)らが終盤に追ったが、コンフォルトーラは悠々と1位でフィニッシュした。

1000分の1秒まで結果が記されるほど、通常は混戦で順位が決まるショートトラック。コンフォルトーラの優勝タイムが2分22秒547だったのに対し、2位の黄大憲(ファン・デホン、22=韓国)が2分31秒900、3位の孫龍(ソン・リュウ、21=中国)が2分32秒104、4位のエリストラトフが2分32秒130。2位に9秒差をつけた異例のレース展開に、長年競技に携わる日本の関係者も「初めて見ました」と驚いた様子だった。【松本航】