バンタム級の坪井智也(25=自衛隊)が世界一の称号を手にした。決勝でマフムド・サビルカン(カザフスタン)を5ー0で破り、ウエルター級を制した岡沢セオン(25)とともに日本勢として初の金メダルを獲得した。勝利が決まると、リング上で雄たけびを上げた。

初回は劣勢だった。「最初は上下ついてうまくやろうとしたが、相手の圧力とやりづらさがあった」。カウンターをもらう場面が目立った。終了後のインターバルで確認したのは、「本来のスタイルを徹底する」。単発でしっかりと当てていく本来の姿を取り戻すと、ジャブからの連打で巻き返していった。2回を終えて2-3だったが、流れは手にしていた。最終回も相手をのみ込むように展開を制した。

19年の全日本選手権フライ級決勝で、のちに東京五輪で銅メダルを手にする田中亮明に敗れ、五輪を逃した。新型コロナウイルスの影響で試合もない日々に、「もう1度基本からつくって、やり直そうと思った」と取り組んできた。その成果を示し、「相手も対策してくる。その上の上をいくボクシングをしたい。目指すはパリ五輪で金メダル」と誓った。

◆坪井智也(つぼい・ともや)1996年(平8)3月25日、静岡県生まれ。浜松工高から日大に進学し、現在は自衛隊に所属。ライトフライ級で全日本選手権を14年から4連覇、18年アジア大会2回戦敗退。左ジャブ、左右のフックが得意な右オーソドックスファイター。

▽プロボクシングWBA世界ミドル級スーパー王者村田諒太(インスタグラムで)「世界選手権の金メダルは偉業中の偉業。いつかは破られるのかと思っていた僕の銀メダル、たったの10年で…しかも2人…悔しいな笑 本当におめでとうございます」「本物の偉業!凄すぎる!」