男女合わせ34試合が行われた。女子は総体道予選との2冠を狙う旭川実が2年ぶりの春高出場へ好発進した。昨年準決勝で敗れた帯広南商を2-0で下した。今夏からコーチを務める、元日本代表でV2男子ヴォレアス北海道の越川優(37)の教えを受けながら、レベルアップしたチームが8年ぶりの制覇を目指す。

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旭川実がリベンジを果たした。昨年準決勝で敗れた相手にストレート勝ち。第2セットで一時6点差とリードを許す場面もあったが、逆転で勝利を決めた。飯田有音主将(3年)は「去年の悔しい思いもあったし、ここで負けるわけにはいかなかった。自分たちが今までやってきたことを信じてやりました」と昨年準Vチーム相手の白星に胸を張った。

今年の夏場からチームに新たな風が吹き込まれた。旭川を本拠地とするヴォレアス北海道の越川が、地域のバレーボールの普及活動を行う中で、同校のコーチとして指導にあたるようになった。現役選手のボールをレシーブ練習することもあり飯田は「(球のスピードが)速いし、捕れるか、捕れないかの範囲で球出しをしてくれる。トレーニングになるし、すぐ実践できるような教え方をしてくれる」という。

1年生ながら今年のインターハイを経験し、この日も先発した笠井季璃は、練習で越川に積極的に質問。バックアタックについてなど多くを吸収している。「日本、世界を見てきている人なので、トップのバレーボールを学ぶことができている」とうなずく。

会場で選手のプレーを見守った越川は“教え子”たちの勝利にほおを緩めながら「自分がやってきたことを伝えて、それを彼女たちなりにプラスにしてくれたらいい」と話した。

総体道予選との2冠で全国を狙うチーム。岡本祐子監督(43)は「プレッシャーがある中で、選手たちは頑張ってくれた」とたたえた。飯田主将は「まずは優勝して、1位通過で全国ベスト4を目指したい」と意気込んだ。【山崎純一】

<連続全国逃す>

女子の帯広南商は2年連続の春高出場に届かなかった。1回戦で恵庭南に2-0で勝利も、2回戦で旭川実に屈した。3年連続となった宿敵との対戦成績は、これで1勝2敗に。加納未梨主将(3年)は「あっという間に試合が終わった。相手の方が実力が上でした。でも練習でやってきたことはプレーとして出せました」と前を向いた。

<古豪復活1勝>

男子の留萌は今年5月に部に昇格したチームが全道1勝を挙げた。小樽未来創造相手に2-0で勝利。93年度の全国選抜北北海道予選を制した古豪だが、徐々に部員が減り活動を休止していた時期もあった。同好会発足2年目で初勝利した昨年に続く白星に寺山大生主将(3年)は「攻撃も守備も強化してきた。自分たちのプレーを出して1つ1つ勝っていきたい」と次戦を見据えた。

◆18年の開校以来初出場を果たすも初戦敗退の小樽未来創造・高橋龍ノ介(3年) 全道はやっぱりレベルが高いと感じた。でもほかの3年生と一緒に全力でやり切れたと思う。