札幌藻岩が準優勝で3年ぶりの「春高」出場を決めた。2人の3年生、沢口恭士郎と山内然が1、2年生中心のチームをけん引。準決勝で昨年まで2年連続準優勝の恵庭南を2-1で撃破し、高体連大会時代を含め4度目の全国切符をつかんだ。

準決勝で恵庭南に勝利した瞬間、札幌藻岩の選手たちが喜びを爆発させた。昨年までの過去10年間で4強入りが9度。18年以来3年ぶりの春高切符に山内はコートに倒れ込み、うれし涙でしばらく顔を覆ったまま動けなかった。「小学校からバレーボールをやっていて全国に行ったことがない。人生初の全国で、一気に感情が込み上げてきました」と目を潤ませた。

2人の3年生がチームを引っ張った。進学校で知られる同校。6月の総体道予選終了後受験勉強に励むため3年生10人が引退した。残った山内と沢口が1、2年生の若いチームを支えた。森元聡監督(57)は「この2人の存在は大きい。この子らがいなかったら勝っていないかもしれない」と口にする。

ともに小学1年からバレーボールを始めた2人には強い絆がある。学校では山内が文系、沢口が理系と違うクラスで学ぶ。会話も普段は多くはないが、大会前の10月下旬にはV2サフィルヴァ北海道の開幕戦をそろって観戦に訪れるなど、バレー談義となれば盛り上がる。山内は「恭士郎は本当に大きな存在」と信頼は厚い。

リベンジの勝利にもなった。沢口の兄将太郎さん(19)は3年前同高2年時に春高に出場。高3時は準決勝で恵庭南に敗れ、全国には行けなかった。当時1年生セッターとして自身も兄とともにプレーしていた。この日は決勝で東海大札幌に敗れ優勝こそならなかったが、2年前にコートで味わった悔しさを晴らした。目標は兄が果たせなかった全国1勝。沢口は「この北海道予選は通過点。北海道代表としての責任も忘れず、全国にぶつかっていきたい」と力を込めた。【山崎純一】

<代表決定戦の成績>

◆準決勝

札幌藻岩 2-1 恵庭南

東海大札幌 2-0 北海道科学大高

◆決勝

東海大札幌 2-0 札幌藻岩