東京オリンピック(五輪)バレーボール男子日本代表のアウトサイドヒッター、高橋藍(らん、20=日体大)が今冬から世界最高峰リーグのイタリア・セリエAに挑戦することが27日、複数の関係者への取材で分かった。かつて石川祐希(25=ミラノ)や越川優(37=ヴォレアス北海道)もプレーしたパドバに加入する。29日に開幕する全日本大学選手権(全日本インカレ)を終えた後、イタリアに向かう。

セリエAは今夏の東京五輪でしのぎを削ったライバルたちが集う最強リーグ。現在13チームで構成され、日本人選手ではエース石川と西田有志(21=ビーボバレンティア)がいる。大学生でのセリエA挑戦は、石川に続き2人目だ。パドバの関係者は「高橋藍のイタリア移籍に向けて話し合っています」と認めた上で「藍は完成度が高く、強くて才能あふれる若いプレーヤー」と称賛。「私たちのチームにも完璧にフィットする」と太鼓判を押した。

高橋は京都・東山高3年時にエースとして全国高校選手権(春高バレー)初優勝に導きMVPを獲得すると、アンダーカテゴリーを飛び越えてシニア代表に選出。今夏の東京五輪では最年少で代表入りを果たし、持ち味のレシーブ力と鋭い強打を発揮。攻守で存在感を放ち29年ぶりの準々決勝進出に貢献した。

五輪を終えてさらに上を目指したいという思いが募り「世界と戦うためにイタリアに行くことも視野に入れてます。大学にいる期間中に行けるのがベスト」と語っていた。

9月のアジア選手権を終えた後、日体大に戻りコンディション作りに励んでいた。両ひざの痛みに悩まされながらも関東大学秋季リーグ戦の終盤に出場機会を得ると、13年春以来、14季ぶりの優勝に導いた。イタリア挑戦を控える中で臨む全日本インカレ。昨年早大に敗れ準優勝に終わった悔しさを晴らし、13年ぶりの栄冠を置き土産に新たなスタートを切る。