東京オリンピック(五輪)卓球混合ダブルス金メダルなど計3個のメダルを獲得した伊藤美誠(21=スターツ)が、実り大きな1年となった今年を漢字で振り返った。16日に都内で取材に応じ、時期ごとにさまざまな感情が生まれた年になったと説明。一文字で表現しようと苦心しながらも最後はこれといった字が見つからず「今はスッキリしています」と満面の笑みで答えた。
この日は所属事務所が開いた報告会に出席した伊藤は、白を基調としたドレス姿を披露。報道陣の前ではくるりと回ったり、ポーズを取ったりと、モデルのような立ち振る舞いを笑顔でこなした。
年の瀬に恒例となっている今年の漢字について、伊藤は「楽」→「苦」「辛」→「スッキリ」と変わっていた様子を時系列で紹介した。
「楽」は、東京五輪の戦いを現している。水谷隼(木下グループ)と組んだ混合ダブルスで「金」、女子団体で「銀」、個人で「銅」のメダルを手にした。
伊藤 オリンピックの前から結果を残すために頑張っていて、混合では中国人選手にも勝って金メダルを取れた。東京での金は別格でした。
ところが、五輪が終わった後の3カ月間は悩み続けた。
11月に行われた世界選手権のシングルス準々決勝で王芸迪(中国)に敗戦。早田ひな(日本生命)と組んだダブルスでは決勝に進むも、再び中国人ペアに敗れ前回大会に続く銀メダルとなった。
「気持ちで勝とうと思っても、負けない卓球をしていました」と伊藤。中国人選手の強打を警戒する余り普段より後ろに下がってプレーすることを気にしていたと言い「目の前の選手と戦うよりも、自分自身と戦っていた」。自分らしさが影を潜め、「楽」から「苦」「辛」に変わった。
伊藤 世界選手権でも迷いながら、試合をしていて。勝っていてもモヤモヤしていました。
そこから好転したのは、世界選手権後の隔離期間。改めて自分の長所やスタイルを見直した。自問自答し、サーブレシーブが自分の武器だと再確認した。納得する答えにたどり着くと、迷いがなくなった。視界がはっきりと開けた。
伊藤 パリ五輪までに目標はあっても、強い覚悟は足りなかった。来年はどんなときでも勝ちに行く。
来季に向けて「卓球が心の底から面白いとなるような年にしたい」。東京五輪で3つのメダルを獲得したが、まだ21歳。「世界選手権でダブルスで全勝、日本選手権で優勝します」と具体的な目標を示し、「まだまだ成長できる。日本選手権は心から楽しみ」という声が、ひときわ弾んでいた。


