名門の同大(関西4位)が5大会ぶりに8強入りした。31-29で大東大(関東リーグ戦3位)に辛勝。一時は20-0とリードしながら終了間際のラスト1プレーでトライを許し、ゴールキックが外れて辛くも逃げ切った。

前回大会は新型コロナウイルスの集団感染で出場辞退。準々決勝(26日、秩父宮)は、昨季初戦で対戦するはずだった帝京大(関東対抗戦1位)とぶつかる。前回王者の天理大は17-27で明大に敗れた。

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試合はラスト1プレーまでもつれた。同大の7点リードで迎えた後半ロスタイム。会場に終了を告げるホーンが響く。大東大にモールを押し込まれ、2点差に迫られた。中央にトライを許さなかったことが、せめてもの意地だった。トライ数は5で並んだ。同点なら規定によりトライ後のゴールが多い方が準々決勝に進む。同大のゴールは0。決まれば敗退となる大東大のコンバージョンは強風に流され、わずかにそれた。

4強入りした16年度以来の準々決勝進出は運も味方した。元神戸製鋼FBの伊藤紀晶ヘッドコーチ(HC)は「外してくれという願いでした」。FB山口楓斗(4年=東海大福岡)は「負けたと思っていました。得点板を見ていなかったので終わった…と」。前半23分までに4トライを挙げて20-0としながら、残り1秒まで分からなかった。

勝負を分けたプレーがある。前半26分にトライを許し、相手のコンバージョン。WTB大森広太郎(3年=茗渓学園)が全速力でチャージした。入っていれば勝利はなかった。準々決勝は昨季対戦できなかった帝京大が相手。ロック南光希主将(4年=東海大仰星)は「帝京であれどこであれ絶対に勝つという気持ち」。無念の出場辞退となった1年前の思いを胸に、4強の扉を開く。【益子浩一】