ラグビーの新リーグ「リーグワン」は5日、1部の開幕カードとして7日に東京・国立競技場で開催予定だった東京ベイ(クボタ)-埼玉(パナソニック)を中止すると発表した。埼玉の9人が新型コロナウイルス陽性となり、チーム内での自主検査の結果が陰性の選手も、全員が濃厚接触者と認定された。試合開始48時間前までに登録に必要な選手がそろわないことが確定し、リーグワンは「試合を楽しみにされていた皆様には、心よりおわび申し上げます」とコメントした。

ラグビー界の歴史的な1日が、コロナによって奪われた。1部の開幕節6試合のうち唯一、7日に組まれた一戦。開幕セレモニーや君が代斉唱も予定されていた。埼玉は3日に自主検査を行い、3人に陽性疑い判定が確認されたため、医療機関で再検査を実施。保健所の指示に従い、現在はチーム活動を休止している。

埼玉は昨季、前身のトップリーグ(TL)優勝を飾り、リーグワン初代王者の有力候補とされている。プロップ稲垣啓太(31)、SO松田力也(27)ら日本代表が数多く在籍し、昨年12月の記者会見でフッカー坂手淳史主将(28)が「チームの調子はいい」と分析していた。だが、公式戦実施要項に基づき、開幕戦は勝ち点0。東京ベイに同5が入る。16日に予定されている第2節東葛(NEC)戦開催も現時点で不透明だ。

TLは昨季も複数チームから陽性者が出て、開幕が約1カ月遅れた。リーグワン最初の試合は8日正午から神戸ユニバー記念競技場で行われる神戸(前神戸製鋼)-浦安(NTTコミュニケーションズ)となる。