8年ぶりにセンターコートに立った雄物川(秋田)は、日本航空(山梨)に0-3のストレート負け。3年ぶりの「春高1勝」から駆け上がった快進撃は、過去最高タイの4強で幕を下ろした。

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“執念”でつかんだセンターコートで、歴史を塗り替える勝利はつかめなかった。1回戦から石塚蓮(3年)、角田颯哉(はやて=3年)両エースのかじを取ったセッター高橋歩(3年)は「自分のトスで負けた部分が大いにある」と悔しさをにじませ、込み上げる涙を抑えられなかった。

「ここしかないと直感で思いました」。千葉県出身の高橋は、春高での雄物川のプレーを見てバレー部に体験入部。練習に対する姿勢に大いに共感した。セッターとして、元日本代表セッターの宇佐美大輔監督(42)の下で学びたい気持ちもあり、秋田でバレーをすることを決意した。自ら選んだ3年間に高橋は「楽しかったです。つらいことも仲間と乗り越えられたことが幸せでした」。今後はバレーを続ける予定はないが、「雄物川のバレーは粘り強いプレーが多い。困難に負けるのではなく、ここで学んだ粘り強い力、気持ちを持って今後の人生を歩んでいきたいです」と、執念と粘り強さを信条に新しい環境でも前進するつもりだ。

石塚と角田の両エースは大学に進学し、バレーを続ける。石塚は「(宇佐美)大輔先生に教わったからこそ今の自分がある。(春高では)試合を重ねるにつれてスパイクのキレが増したと思うのでこれを大学でも自信に変えていきたいです」と、今回の経験を糧に躍進を誓った。

雄物川は今後、両エースがいない新しいバレーを模索していく。この日7得点を挙げた高橋一太(1年)は「3年生の前向きな姿勢をこれから学んでいきたいです」と前を見据えた。県28連覇、そして先輩超えを目指して新たな戦いが始まる。【濱本神威】

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