2年連続3度目の優勝を狙う世界14位の大坂なおみ(24=フリー)が、2本のマッチポイントを握りながら逆転で敗れ、2連覇を逃した。同60位のアマンダ・アニシモバ(20=米国)に6-4、3-6、6-7の2時間を超える熱戦の末に敗退した。

【全豪オープン】大坂なおみ3回戦敗退、60位アニシモバに敗れる/詳細

敗退にも、会見で大坂には何度も笑顔があった。心の底から、バトルを楽しんだ。「神様じゃないので、全ての試合に勝つことなどできない」。最終セットの10点先取タイブレークで離されても、以前のように諦めなかった。「1点、1点を大切に戦った」。だから負けても「この試合で大きく成長できた」と笑顔だった。

非常に難しい戦いだった。初対戦ということもあり、大坂にとって、相手のくせ球とタイミングの早さは、異質なものだった。相手の球は回転が少なく、弾道は直線的。バウンドしてから滑るため、飛んでくる速度との錯覚で、食い込まれ、振り遅れた。

加えて、相手はカウンターパンチャーだ。卓球の前陣速攻のように、ベースラインから下がらない。ラケット面をつくり、大坂の球のスピードを利用し、大振りせずに返球してくる。返球が早くなり、大坂は「早く返ってきて、構える時間がない。バウンドも低い」と、てこずった。

相手のくせ球は、少しずつ大坂のメンタルもむしばむ。打ちたいけど、ミスもしたくない。相手から、打ちごろの球が来ても、無心でラケットを振れなくなり、スイングが中途半端になり、ミスも生まれた。

以前なら、途中で気持ちが切れていただろう。途中で思い切り打ち始め、自滅したはずだ。しかし、この日は、「できる限りのことをしようと思った。それは本当に誇れる」と、最後まで闘志を見せた。

この敗戦で、世界ランキングは急降下する。4大大会でシードされない可能性も濃厚だ。しかし、今なら「もしシードされなかったら、相手の方が嫌だと思う。今の調子でプレーすれば、また上がっていける」と思える。敗戦にも、大坂の表情には、力強さが残った。

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◆全豪オープンテニスはWOWOWで全日生放送、WOWOWオンデマンドとテニスワールドで全コートライブ配信される。