カップル結成2季目の村元哉中(かな、28)、高橋大輔(35)組(関大KFSC)が、日本勢最高となる2位の快挙を成し遂げた。

リズムダンス(RD)2位で迎えたFDも2位の109・48点を記録し、合計181・91点。200・59点で優勝したRD1位のグリーン、パーソンズ組(米国)に続き、高橋は「今季に入って、やっと『世界と戦える』と感じることができた。4大陸でメダルを取るまでが、あっという間でした」と笑顔を見せた。

4年前に続き、日本アイスダンス界の歴史が動いた。4大陸選手権は欧州以外の国・地域(アメリカ、アジア、オセアニア、アフリカの4大陸)が参加する主要国際大会。18年大会(台北)は村元が20年3月に死去したクリス・リードさんと組み、北米以外のカップルで初めて表彰台(3位)に立った。この日、村元はかみしめるように言った。

「4大陸に来る時に、クリスとアジア初の銅メダルを取れたことを思い返しました。クリスとの4大陸は特別な試合だった。大ちゃん(高橋)と戻ってこられて『更新できたらいいな』というのがあった中、RD、FDと両方、納得いく演技ではなかったけれど、ミスがあっても、日本代表最高成績で、大ちゃんと2位になれて、うれしいです」

RDでは序盤でまさかの転倒があり、この日も自己ベストのFD114・29点(21年ワルシャワ杯)には届かず「うれしさ反面、悔しさもある」(高橋)と課題はある。目標だった北京五輪代表1枠入りは逃したものの、今、見据えるのは世界選手権(3月、モンペリエ)で10位以内に入り、次年度の代表枠2を日本にもたらすことだ。

同選手権における現在の日本勢最高は18年の村元、リード組が記録した11位。高橋は堂々と言い切った。

「五輪を1つの大きな目標にしていたけれど、行けず、世界選手権の代表をいただけたので2枠を取りたい。(日本勢は)トップ10に入ったことがない。大きな目標に掲げています。こうやって結果を残せることが、自信になっています」

現在地を確かめた「かなだい」が、その先へと進む。【松本航】