東京パラリンピック金メダルで、世界王者の国枝慎吾(37=ユニクロ)が2年ぶりの優勝を遂げた。同2位のアルフィー・ヒューエット(英国)に7-5、3-6、6-2のフルセットで勝ち、全豪11度目の優勝を遂げた。

国枝は、最終セット5-2から5度目のマッチポイント。相手のロブがアウトになると、何度も両手を突き上げガッツポーズで、自らの優勝を祝った。「今週、本当に調子が良くなかったが、今日の最終セットは最高のプレーができた」。

悲願だった東京パラリンピック金メダルの後、モチベーションに苦しんだ。「(準決勝も)テニスをやめようかなとか。この日も、もしかしたら最後の試合になるかもと考えた」。今大会では、06年から教えを請うメンタルのクイン・トレーナーと相談しながら、気持ちを押し上げた。「励まし続けられた。でもなかなか難しい」。それでも「試合になったら負けたくない」のは、王者の誇りだ。

前哨戦のメルボルンオープン決勝で、ヒューエット相手に第1セット4オールで、背中の張りから、大事を取って途中棄権した。全豪をにらんでの安全措置。最後までプレーを行った試合では、昨年9月の東京パラリンピックから18戦全勝となった。

◆全豪オープンテニスはWOWOWで全日生放送、WOWOWオンデマンドとテニスワールドで全コートライブ配信される。