アランマーレ山形が、大野石油広島にセット(S)カウント3-1で勝利し、3連勝を飾った。菅原里奈(24)が、両軍最多8本のブロックポイントを含む20得点と攻守で貢献。1Sを奪われたが、崩れずに逃げ切り、ファイナルステージ進出がかかるシーズン終盤戦に向け、弾みをつけた。

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描いていたシナリオ通りに締めくくった。北原勉監督(41)は「第4Sの最後の方でようやく描いていた通りのプレーが出せました」。第1Sは、25-14で圧倒。だが、第2Sは27-25と食い下がられ、第3Sは23-25で落とした。「ブロックのタイミングがつかめていなかったので、ガラッと作戦を変えました」。第3Sまではブロックミスから失点を重ねていた。そこで、第4Sは思い切って作戦を変更。「止めるブロック」ではなく「コースを絞るブロック」を徹底し、ブロックとディグ(相手のスパイクを受けるレシーブ)の呼吸を合わせた。その作戦が奏功し、持ち味のトータルディフェンスで軌道修正。菅原は「最後にやっと相手のタイミングに対応できたと思います」。ブロックも徐々に決まりだし、この試合計19本のブロックポイントを奪った。

確かな手応えを感じている。首位を走った前半戦から後半戦は石盛めるも、長尾のどか、原田栞里といったルーキーのプレー時間が増えている。北原監督は「選手たちが順調に成長してくれている。チームのボトムアップに成功していると感じています」と、ルーキーの成長に目を細めた。“全員バレー”は着実にレベルを上げている。

今季レギュラーラウンドは残り3戦。暫定首位に立つアランマーレにファイナルステージが見えてきた。北原監督は「最後は総力戦。総力が上のほうが上だと思っているので、全員バレーで勝ち抜いていきたいです」。宮本菜月主将(25)は「チーム全員で士気を高めていく。今日の試合を生かしてチーム力を上げて戦っていきます」と気を引き締めた。次戦は19日にGSS東京と対戦する。気持ちを切らさず最後まで走り抜く。【濱本神威】