9月にオーストラリアノシドニーで開催されるW杯の予選が行われ、日本は世界ランク4位の強豪カナダに延長の末逆転勝ちし、W杯出場へ大きな勝利を挙げた。20年2月の東京五輪世界最終予選で68-70と敗れている日本は、前半を23-40とリードされて折り返す。第3Qの中盤では27-47と20点差をつけられる苦しい展開となった。

それでも、山本麻衣(トヨタ自動車)宮崎早織(ENEOS)らガード陣の果敢なドライブインと、キャプテン高田真希(デンソー)の冷静なプレー、馬瓜ステファニーの得点で、第3Q終了時点で46-54と8点差まで追い上げた。第4Qの残り3分22秒、この試合が2年ぶりの国際試合復帰となる渡嘉敷来夢(ENEOS)のシュートで65-65と同点。73-73で延長になると、渡嘉敷、三好、赤穂らの連続得点で競り勝った。

東京五輪で銀メダルを獲得したトム・ホーバス監督からチームを引き継いだ恩塚亨監督は、26歳以下の若い選手でアジアカップ5連覇を達成。いずれの試合も最後まで競り合い、最後の最後で勝ちきる、しぶといバスケットでチームを成長させてきた。今回のW杯予選も調整期間が短い中、若手とベテランを融合させ、同じように、粘り強い守備と素早い攻撃、誰が出ても、どこからでも得点できる底力を見せて勝ちきった。

公式会見で恩塚監督は「いい準備をしてきたが、ゲームの経験がこのチームではほとんどなかった。そんな中で選手たち同士でコミュニケーションが取れて、自分たちのバスケを思い出してやっていこうするところがすばらしかった。そういう仲間と勝利を分かち合えるのは最高の喜び」と満足そうに話した。

守備で果敢なドライブで得点を挙げた山本麻衣(トヨタ自動車)について「山本のディフェンスはすばらしかった。フィジカルなプレーをただ頑張るだけじゃなく、相手の嫌なところ、相手にとって嫌なところを考えながらプレーしていた。その背中をほかの4人が見て守備に勢いがついた」とたたえていた。