高梨沙羅(25=クラレ)が北京五輪以来の試合に臨み、合計291・5点で優勝した。今季2勝目で男女歴代最多記録を持つ通算勝利数を62勝目に伸ばした。1回目130メートルで2位につけ、2回目132メートルを飛び、逆転を果たした。

五輪後は欧州へ移動して調整。五輪後の再開初戦となった2月25~27日のW杯ヒンツェンバッハ大会(オーストリア)は欠場したが、復帰を果たし、見事優勝をマークした。

 

高梨の北京五輪後

◆規定違反で失格 2月7日の混合団体の1回目に、高梨のスーツの太ももまわりが2センチ大きかったとしてスーツの規定違反で失格した。2回目進出が危ぶまれたが、残り3人が奮闘して8位通過。2回目は高梨を含む4人で巻き返したものの、4位とメダルには届かなかった。

◆インスタで謝罪文 高梨は混合団体の失格から一夜明けた2月8日、自身のインスタグラムで真っ黒な画面とともに謝罪文を掲載。「謝ってもメダルは返ってくることはなく、責任が取れるとも思っておりませんが、今後の私の競技に関しては考える必要があります」などと記した。

◆欧州へ出発 2月9日に北京から欧州へ出発。選手村出発の際はバスから関係者に手を振る姿があったという。心配されるメンタル面について「ケアをしていく」と日本選手団スキーチーム斉藤智治監督は話した。

◆メンバー入り 全日本スキー連盟(SAJ)は2月19日、女子のW杯遠征メンバーを発表し、高梨沙羅、伊藤有希、勢藤優花、岩渕香里の北京五輪代表4選手と岩佐明香が選ばれた。

◆今後は未定 全日本スキー連盟(SAJ)は2月24日、高梨について「今後の大会出場は未定」と発表した。

◆沙羅ちゃん、元気? 2月25日、オーストリアのヒンツェンバッハでの団体第1戦で、岩佐明香、勢藤優花、岩渕香里の日本は合計746・1点の4位。アンカーの岩渕が2回目を飛び終えると、全員でテレビカメラに向かって「沙羅ちゃん、元気?」と、別調整中の高梨に呼び掛けた。高梨と同じ北海道上川町出身で同い年の勢藤は「沙羅がいてくれたからここまで頑張れたし、たくさんの人が影響を受けて頑張ろうという気持ちになっている。少しでも早くW杯に戻ってきてくれるとうれしい」と、思いを語った。

◆北京以来の実戦 全日本スキー連盟(SAJ)は2日、高梨が日本時間3日未明にリレハンメルで開催されるW杯個人第14戦から出場すると発表。北京五輪の混合団体後、初の実戦となった。

◆4位で予選通過 W杯個人第14戦の予選後、「久しぶりに飛んで、純粋にジャンプが楽しかった」と話した。