北京オリンピック(五輪)でスピードスケート5種目に出場し、金メダル1個、銀メダル3個を獲得した高木美帆(27=日体大職)が5日、都内の日本記者クラブで会見した。

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主な一問一答は以下

-3度目の五輪となった北京大会を終えて1カ月半。振り返って

「この3度目の五輪とも、私にとっての意味合い、価値は違ったなと感じているんですけど、それでも、平昌、北京では金メダルを取りにいくところでは大きな違いはなかったと感じていて。北京は自分の中でスピードは技などあるわけではないが、こう戦いたいというのをはっきり感じて、強く挑む姿勢、形を持つことができた上で挑めた大会だったかな。そこは平昌とは違った点だったかなとあらためて感じています」

-各種目の感想

「1500メートルは終わった後に2番という結果を見て、込み上げてくる気持ちが思っている以上に強いものあった。そこで、1500に対して、自分の中で守りたいもの、世界記録を持ちW杯で勝ち、守りたいもの、背負いたいものを強く思ってた種目だったんだなと込み上げてくる気持ちから感じるところがありました」

「500メートルではシニアでのレース経験が多くない。どこまでいけるかチャレンジする種目だった。終わってみて、スケートを取り組む理由、楽しいと思うところはチャレンジするというのが土台にあると感じる、気づかさせてくれる銀でした」

「パシュートは他の種目と違い、1、2位の決定戦という形で、他の種目も1番以外は誰かに負けていますが、より濃く相手に負けるというのが出る種目なんだなと感じましたね。まだ、あの時の気持ちを言葉で表すのはいまでも難しいところがあるんですけど、チームとして、最後までチームとして支え合ったレースや大会になったのかなと思っています」

「1000メートルは、最後の最後で、前日、当日の食事も緊張ではなく、おなかが受けつけてない感覚があって、最初は明日起きてちゃんと動くかなというくらいの気持ちだったんですけど、でも日本からのメッセージで、『背中を押すから最後まで戦っておいで』という言葉などをもらい、スタートラインに覚悟を持って立つことできた。余計なことというか、すべきことに集中するのでいっぱいいっぱいでそれが良かったかな。1000メートルだけではなく、五輪全体を通してやりきったなというのを感じられる、レースと一日になったと感じてます」

-退任するヨハン・コーチについて

「印象に残っていることは、後で思い返すと興味深いのは、500メートルのアップの時に、肩に力が入っていると言われて、『もっとフリーに滑っていいんだ』と。ずっと前からそうしているつもりだったんですけど、それがそう映らない理由、原因は何だろと。もしかしたら肩の力を緊張じゃなくて、機能的に硬くなっていたりするのかなと、発想につながったりして、自分の中のスケーティングを改善するきっかけを、いろんなところから受け取っていたなと」

-姉菜那が引退して関係は変わるか

「そうですね、変わると思いますね。スケートを取り組むにあたり、姉がいない時期はなかったので、どう変わるか分からない。ライバルという関係はなくなるんだなと感じてますね。複雑なところがあって、さみしい気持ちもあるんですけど、もう競わなくていいんだなと言う気持ちも少しは心の中にある部分はありますね。どうなっていくかは私も楽しみ」

-日本スケート界の中での立ち位置への考え

「頼りになるお姉さん方がたくさんいなくなったなと、というのは感じつつも、でも、私自身がスケート界を引っ張っていっている感覚はもともと持ってなくて。ただ自分が目指したいものがそこにあるから全力で目指すスタンスは変わらないのかな。いまはですけど、肩肘張らずに柔軟に」

-将来像

「どうでしょう、私は結構、いろいろ、知識が増えたりするのが好きなので、もしかしらまた勉強するとなるかも。もしかしたら違うものに触れて、やりたい事が出てくるかも。でも、変わらず、自分の声を聞くというのは大事にしながら、なにか世の中に還元できたらいいなと思ってます」