NBAウィザーズの八村塁(24)が10日(日本時間11日、今季最終戦となる敵地でのホーネッツ戦に先発出場し、32分20秒のプレーで今季自己最多タイの21得点を挙げてシーズンを終えた。

プロ入り3シーズン目は個人的理由のため開幕から欠場が続いた中で、年明けから戦列に戻って42試合に出場し、1試合平均11・3得点と2桁に乗せた。そのプレーぶりについて、NBAコメンテーターの塚本清彦氏(61)に聞いた。

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開幕から欠場が続いた八村が今季初めて出場したのは40試合目だった。すでにチームとしての形が出来上がっている中で加わり、そこからしっかり適応していったことは、今後も長くNBAでプレーを続けていくうえで大きな経験となるはずだ。

過去2シーズンは出場する際には必ず先発で起用されていたが、今季はベンチスタートも経験。これまでとは異なる状況下でも、プレー時間を着実に伸ばしていった。10日のニックス戦では前半だけで18得点をマークして爆発力も見せた。

振りかぶってボールを思い切りリングにたたきこむトマホーク・ダンクを披露するなど、身体能力の高さを改めて示した。こうしたダイナミックなプレーに加え、3点シュートの精度が向上したことでプレーの幅が大きく広がった。外角シュートに課題を露呈したウィザーズにあって、八村はチームの弱点を補う存在にもなっていた。

過去のデータを元に相手が八村への分析を重ねる中で、それでも1試合平均2桁得点を挙げられたことは評価に値する。そうした中で物足りなさも感じられたのはリバウンド。今季は1試合平均3・8にとどまった。この数字は来季以降、さらに伸ばせるはずだ。

ここ数年はコロナ禍での変則日程に加え、中国W杯や東京五輪などもあって休める時間をなかなか確保できなかった。オフに休養を取ることはプロとして大事なこと。心技体いずれも万全の状態に整えてほしい。

◆塚本清彦(つかもと・きよひこ)1961年(昭36)2月26日生まれ。兵庫県出身。育英高から明大卒業後、日本鋼管に入社。ポジションは主にポイントガードを務め、日本リーグ優勝2度、93-94シーズンにベスト5。96年引退。明大、法大の監督を経て、現在はテレビやインターネット放送でNBAやBリーグの解説を行う。