北京オリンピック(五輪)カーリング女子日本代表で銀メダルのロコ・ソラーレが、カナダ・トロントで12日(日本時間13日)に開幕したプレーヤーズ選手権に出場。五輪後初めての公式戦を行った。
北京五輪では会場のコーチ席から戦況を見つめたロコ・ソラーレの小野寺亮二コーチ(61)は今大会、国内に残ってチームの戦いぶりを見守る。その理由は「畑作業で大忙しになっちゃうから」。
幼少期から知る選手たちを、五輪2大会連続メダリストへと育てた。その名指導者は、実は農業従事者というもう1つの顔を持つ。北の大地で手がけるのはてんさい(ビート)、小麦、ジャガイモ、小豆の4つの作物。「小豆はもう少し先だけれど、ほかの3つはあと1週間ほどで種まきが始まる」。ちなみにジャガイモはポテトチップス用とのことだ。
北京五輪でロコ・ソラーレが決勝トーナメント進出を決めた際には、男泣きした姿も話題となった。そのときの心境をあらためて聞くと、「何で泣いたのかよく分からないけれど、うれしかったのかな。あの子たちがつらい思いをしてやってきた光景が浮かんだのかな」。照れくさそうに振り返る。
普段はどんな様子なのか。カーリング選手である娘の佳歩(30=フォルティウス)は父亮二について、「優しいお父さん」「2人の孫(5歳と3歳)には甘いおじいちゃん」と表現。そして「社交的で誰にでも話しかけちゃうイメージを持つ人が多いかもしれないけれど、自宅では静かというか、穏やかな感じかも」。そんな娘の言葉を伝え聞いた小野寺コーチは、「家で静かなのは、オレの話を聞いてくれる人間が誰もいないから」と豪快に笑った。ちなみに現在は妻と母、長男夫婦と2人の孫と7人暮らしだ。
自らを「カーリングが好きな農家のおじさん」と称する。まだ寒さの残る北海道で種まきの準備をしつつ、手塩にかけて育てた選手たちからの吉報を持つ。【奥岡幹浩】
◆小野寺亮二(おのでら・りょうじ) 1960年(昭和35)12月13日、北海道生まれ。カーリングを始めたのは24歳のころ。04年より娘の佳歩(現フォルティウス)や、吉田知那美、鈴木夕湖(現ロコ・ソラーレ)らで構成される常呂中ロビンスを指導。10年よりロコ・ソラーレのコーチに就任。剣道有段者。最近の趣味はユーチューブを見ることで、ポーカー(トランプ)のチャンネルなどがお気に入り。
◆プレーヤーズ選手権 ワールドツアー最高峰のグランドスラムと呼ばれるシリーズの1つで、男女とも世界チームランキング上位16チームが招待を受ける。辞退チームがあった場合は、同17位以降のチームが繰り上がりで出場資格を得る。賞金総額は17万5000カナダドル(約1740万円)。勝ち上がり段階で3度負けると敗退となる「トリプルノックアウト方式」が採用される。


