アジア・オリンピック評議会(OCA)は6日、ウズベキスタンの首都タシケントで理事会を開き、第19回アジア大会(9月10~25日、中国・杭州)を延期すると決定した。

中国オリンピック委員会(COC)と大会組織委員会(HAGOC)との協議を重ねて合意し、公式ホームページで発表した。23年への先送りが模索されており、新たな日程は近日中に発表するとしている。

杭州は新型コロナウイルス感染拡大の影響でロックダウン(都市封鎖)が続く上海に近く、国が進める「ゼロコロナ」政策の影響が大きかった模様だ。2月の北京冬季オリンピック(五輪)は開催したが、翌月から感染者が増加していた。OCAは「パンデミックの状況や大会の規模を慎重に検討した結果、全ての関係者が延期という決断を受け入れた」と説明を添えた。

大会は4年に1度の“アジア版オリンピック”。昨夏の東京五輪の33競技より多い40競技に1万人以上が参加予定。eスポーツが正式競技に初採用されることでも話題になっていた。

日本からは競泳の池江璃花子や大橋悠依、柔道の大野将平、ウルフ・アロン、素根輝ら東京五輪代表勢の出場が内定。卓球は張本智和、早田ひな、平野美宇らが参戦する予定だったが、シングルスは24年パリ五輪に向けた代表選考ポイントに関わるため、少なからず影響が出ることになった。

また、サッカーは通例として2年後の五輪を狙うU-21日本代表が出場してきた。

日本オリンピック委員会(JOC)は「OCAの発表は承知している。まずは情報収集に努め、NF(国内競技団体)とも情報共有を進めたい。アスリートに対して必要なサポートがないか、NF等とも連携したい」とコメントした。

23年に延期する可能性が出てきた中で、OCAは「(2022と入った)大会の名称とエンブレムは変わらない。全ての関係者の協力、努力によって大会が成功することを確信している」との声明も出した。

大規模な国際スポーツ大会を巡っては、感染拡大の影響で東京五輪が20年から21年に1年延期された例がある。26年のアジア大会は愛知県と名古屋市の共催と決まっている。【木下淳】