花園近鉄ライナーズが、1部自動昇格を果たした。

リーグ2位から臨んだ順位決定戦で、同1位の相模原(三菱重工)を破り2連勝。リーグ創設初年度で2部優勝を飾り、来季の1部自動昇格となった。

1部はトップリーグ時代の2017年度以来。

トンガ出身で、20年度に天理大を大学日本一へと導いた日本代表CTBシオサイア・フィフィタ(23)が、合同取材で1部昇格の喜びと、2023年W杯に向けた意気込みを流ちょうな日本語で語った。

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僕の中で相模原戦はとても楽しみにしていた試合でした。結果次第では、これからのラグビー人生に関わってくると思っていた。

来年はワールドカップ(W杯)がある。デビジョン1(1部)に昇格して、早く世界のトップレベルの選手とラグビーがしたかった。日本には世界レベルの選手がたくさん来ているから。

スーパーラグビーにもいつか行きたいなと考えています。

天理大学から近鉄に来て、プレーの幅が広がった。本当はあんまり言いたくないんだけどね。言ったら(対戦相手に)バレるでしょ?

(大学時代は)あんまりハンドオフをしなかったんです。バーンと(相手に)当たることが多かった。

でも、クーパー先生(オーストラリア代表75キャップを持つSOクエイド・クーパー)に教えてもらったんですよ。

ハンドオフをした方が、抜けた時にチームとして、もっとゲインできるって。こうやってね(手を広げて相手のタックルを制止)、ボールを持った瞬間、抜く時にね。感謝ですよ。

小さい頃からよく、クーパー先生の試合を見ていたんです。まさか一緒のチームで試合ができるとは思ってもいなかった。光栄です。

オン・ザ・フィールド、オフ・ザ・フィールドの生活も教わりました。オフはラグビーのことは考えず、自分の時間を過ごす。ただ、練習や試合になったらスイッチが入る。オーラがすごい。練習や試合で、クーパー先生が(気持ちが)抜けているような顔は1度も見たことがない。

でも練習が終わって、一緒に風呂に入ったら、みんなで楽しく笑っているんです。本当のプロの姿を、教わりました。

近鉄は楽しいですね。上下関係はあるんですけど、先輩たちが優しいから、僕たち後輩は楽しくトレーニングの時間を過ごしています。

日本語の勉強は全然していないです。でも、しゃべれるようになってきた。温泉と日本食も好き。特に刺し身が大好き。サーモンにマグロ、ハマチ、いろいろ食べる。釜石に遠征に行った時、ご飯がむっちゃおいしかった。今はコロナなので遊びに行ったり外食はできないですけど、早くそのルールがなくなって欲しいです。

前歯を金歯にしているのは、2018年に亡くなったお爺ちゃんの形見(指輪)を歯に入れたから。

これからはデビジョン1で活躍して、W杯でも活躍して、もっと名前を覚えてもらえるような選手になりたい。クーパー先生みたいに有名になりたいです。

(花園近鉄ライナーズ、日本代表)