秋田ノーザンハピネッツが奇跡のチャンピオンシップ(CS)初出場を決めた。リーグ最終戦で三遠ネオフェニックスを85-76で下した。この日はライバルの三河とSR渋谷が敗れたため、ワイルドカード(WC)4位から同2位へと一気に滑り込んだ。勝率5割7分4厘、31勝(23敗)はいずれも過去最高。東地区は5位でフィニッシュした。13日から琉球とアウェーでCS準々決勝(2戦先勝方式)を戦う。

土俵際まで追い詰められていた秋田が、逆転でCS最後の切符をつかんだ。18-33の第2クオーター(Q)残り6分40秒、ジョーダン・グリン(32)のアシストから古川孝敏(34)が3点シュート(3P)を沈める。その直後に長谷川暢(25)が2連続3P、2点シュート(2P)を成功させて15点差を4点差まで縮めた。前日も同Qに3連続3Pから反撃の糸口を見いだしており、前日のVTRのような形で流れを変えた。

運命の第4Qは57-58で突入。残り9分44秒で伊藤駿(32)が2Pを決めて1点を先行。続けて王偉嘉(23)が2Pとバスケットカウントで加点し、仕上げは田口成浩(32)が3Pを沈める。開始1分12秒で一気に7点リードを奪った。

Bリーグ開幕初年度の16-17年に栃木(現宇都宮)でリーグ王者に輝いた古川は、3P3本を含むチームトップの17得点、4アシストで貢献した。「昨日、今日とチーム全員で、全力で勝ち切れた。自分たちがやるべきことはやりきりました」と胸を張った。古川だけでなく、千葉Jで昨季リーグ優勝したベテラン田口も3P3本含む11得点。いぶし銀の活躍を見せた。

WC2位の三河は川崎と、同3位のSR渋谷は千葉Jと、秋田の試合開始から1時間遅れで運命の一戦を迎えた。一足早く勝利し、インタビューに応じた前田顕蔵ヘッドコーチ(39)は「自分たちが試合を勝ち切れてうれしく思います。あとは祈るのみというか、結果を待ちます」とし、「本当に川崎さん、千葉さん頑張ってください」と心の声を思わず吐露した。

13日に秋田初のCSが開幕する。対戦相手の琉球は49勝7敗で西地区を独走優勝。秋田はCS出場8チーム中8番目の順位でリーグ王者を決めるトーナメントに臨む。西の横綱から金星を奪い、下克上優勝への足がかりにする。