仙台89ERSがファイティングイーグルス名古屋に73-81と敗れ「B2優勝、B1昇格」達成に向け、もう1敗もできない背水の陣に追い込まれた。ジャスティン・バーレル(34)が、19得点13リバウンドのダブルダブルを達成。デビン・オリバー(29)、ジェロウム・メインセ(33)も2桁得点と奮起し、終盤に猛追したが、名古屋に逃げ切られた。

第1クオーター(Q)がすべてだった。開始24秒、相手の3点シュート(3P)で先制を許すと、そこから1度もリードを奪えなかった。オリバー、渡辺翔太(23)の連続3Pで名古屋を追いかけるが主導権は奪えず。第1Qを15-31のダブルスコアで終えた。

攻守で精彩を欠いた。守備では名古屋のパスワークに翻弄(ほんろう)され、空いたスペースから簡単にシュートを許した。攻撃でもパスミスが目立ち、前半だけでターンオーバー(ミスによる攻守の入れ替え)が「11」。後半はターンオーバーを「5」に抑えたが、ターンオーバーからの失点は「21」。藤田弘輝ヘッドコーチ(HC=36)は「出だしがすべてだった。ズレを作られまくったのが悔しい」と悔しさをかみしめた。寒竹隼人(35)も「前半の戦い方がナイナーズらしくなかった」と反省。堅守が破られた前半が悔やまれた。

敗れはしたが、後半にB1昇格チームとしての意地を見せた。前半を34-54の20点差も、後半は39-27と上回り、8点差まで詰め寄った。藤田HCは「後半は自分たちのバスケットが取り戻せた」。後半の自分たちの形を第2戦のスタートから発揮したい。

何としても今日21日の第2戦に勝利して第3戦に持ち込む。仙台はPO準々決勝、準決勝ともに第3戦で勝ち越しを決めた。ストレートで決勝まで上がってきた名古屋と比べて、第3戦まで戦い抜く力がある。藤田HCは「第3戦でハートの勝負にして、勝ち切れることを信じて明日戦います」と意気込んだ。【濱本神威】