男子シングルスで奈良岡功大(20=IMG)が大会初優勝を飾った。決勝で小本翔太(日立情報通信エンジニアリング)に21-12、17-21、21-17で競り勝った。

勝利を決めると、ガッツポーズをしながらコートであおむけになって喜んだ。「やっと優勝できてよかった。2位の選手と思われたくなかった」。昨年の今大会では準優勝。暮れの全日本総合選手権でも決勝で敗れていただけに、言葉に実感がこもった。

24年パリ五輪での活躍が期待される若手有望株。青森・浪岡高1年時には全日本総合選手権の本戦で史上最年少勝利(16歳4カ月)を挙げるなど、早くから頭角を現してきた。

今年4月の韓国オープンでは準優勝、5月の団体戦トマス杯では3試合に出場し、その後のタイオープンではベスト4に進出。国際舞台でも活躍する要因について「気持ちの部分だと思う。もともとスキルはあると思っているので」。表情に自信がみなぎる。

コロナ禍で練習場所に困った時期にはインターバル走に取り組むなど、基礎体力アップに励んできた。幼少期から指導する父浩さんは、「あの頃に腐らずやってきたことが、いまこうして結果に結びついている」とうなずく。

コロナ禍で国際マッチを転戦できなかった影響で、世界ランキングはまだ42位。日本代表でもB代表にとどまるが、20歳のホープは悠然と構える。「まずはA代表にしっかり入り、五輪選考レースを回れるように頑張る。そこは狙えると思う」

長らく日本代表をけん引してきた桃田賢斗は、ここ最近精彩を欠いている。不調といえど「今でもめっちゃ強い」と日本の第一人者に敬意を表したうえで、「僕たちの世代が頑張らないと。自分が次のエースとしてやっていけるようにしたい」。新時代の旗手として、自覚を口にした。【奥岡幹浩】