日本代表候補「エマージング・ブロッサムズ」のロック辻雄康(たかやす、26=東京SG)が代表昇格へ猛アピールした。トンガにゆかりのある選手らで構成した「トンガ・サムライフィフティーン」を相手にフル出場。ボール争奪戦で強みを見せ、31-12の勝利に貢献した。堀川隆延ヘッドコーチ(48)からは「非常にいいパフォーマンス。疲労も見ている限りなかった」と評価された。

真骨頂は17点リードで迎えた後半19分、自陣インゴール1メートル前の防御だった。力で押し込む相手に絡み、身長190センチの体をひねってボールを奪い取った。「自分にとってチャンス」-。その思いを体現し、実家に近い秩父宮を沸かせた。

慶応高、慶大と日本人ロックの期待を背負ってきた。元テニス選手の松岡修造氏のおいにあたり、諦めないことを信条とする。現在、宮崎合宿中の日本代表もロックは3人全員が外国出身。身長2メートル前後の外国人がひしめくリーグワンでも「負けたくないプライドがある」とこだわり、強さと繊細さを身に付けてきた。

次戦は18日、再び代表候補選手でウルグアイとのテストマッチに臨む。「フランス大会はもちろん出たい」。23年ワールドカップ(W杯)を夢見て、アピールは続く。【松本航】