夏の「日本一」に弾みをつける。一関修紅(岩手1位)が、優勝した16年以来の決勝進出を決めた。この日は大会唯一のダブルヘッダーで、準々決勝は弘前工(青森1位)、準決勝は相馬(福島1位)にともにストレート勝ち。今日26日の決勝は、東北(宮城1位)との対戦が決定し、石川愛礼主将(3年)と中沢歩夢(3年)が闘志を燃やした。

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チーム一丸で「県1位対決」の連戦を乗り越えた。弘前工戦から1時間10分後開始の相馬戦。中沢は、第1セット(S)終盤に奮い立った。「自分がエースという立場。最後は自分に(トスが)上がると思って打ち切ろうという気持ちで決めた」とスパイクで突き放し同Sを先取。第2Sも石川のトスワークでバランス良くチームで得点を積み上げ、決勝の切符をつかんだ。

最終学年の責務を全うする。2年生で挑んだ昨年の全国高校総体は決勝トーナメント2回戦で敗退。1月の全日本バレーボール高校選手権(春高バレー)は優勝校の日本航空(山梨)にストレート負けした。新チーム移行後に掲げた目標は「日本一」。「去年はダブルエースと言われたが、助けられている場面が多かった。自分がチームを助けたい」。前エース細川渉夢さんから背番号「4」を引き継ぎ、決意を新たにした。

3月には全国私立高校男女バレーボール選手権で8強。各地の私学から勝利をつかみ「自分たちも『やれる』と思った」と石川。自信をつけて挑んだ5月の県総体は同校初の「男女アベックV」に輝いた。中沢は「(男女アベックVは)うれしかった。正直な気持ちは女子バレー部より(全国で)良い結果を残したい」と気合を入れた。

3年ぶりの開催となった今大会で東北王者をかけて戦うのは、3大会連続優勝を狙う東北。メンバー14人中9人が身長180センチ以上で、この日の準決勝では春高バレー4強の雄物川を破った。「今まで戦ったチームより格段に高いし、強いのは分かっているので楽しみながら勝ちにいきたい」。強豪の連覇を阻止し、夏の全国に乗り込む。【相沢孔志】