来年のラグビーワールドカップ(W杯)の優勝候補に挙げられるフランス代表が30日、柔道の「聖地」講道館を訪問した。

世界ランキング2位の強豪は、7月の日本代表とのテストマッチ2試合に向けて来日中。同国で指導経験のある五輪2連覇の谷本歩実さん(40)の関係で、異競技のコラボレーションが実現した。

選手7人を含む21人の前で技の手本を見せたのは、前日本代表男子監督の井上康生さん。現在は普及などを担うブランディング戦略推進特別委員会委員長を務めており、「私自身がラグビーが大好きです。柔道を選んで来てもらえるのは光栄なこと」と一役買った。

新型コロナウイルスの影響で、組み合っての直接の指導はできなかった。「本当は直接組んで投げたかったですね」とはしながらも、「スポーツでつながるところはたくさんある。他のスポーツに役立つようなものが生まれると面白いですね」と普及のヒントにもなった様子。「選んでくれたことに誇りを持ち、今後もそう言ってもらえるような環境をどう作るかですね」と見据えた。

ベルナール・ビビエ団長は「講道館に来られて光栄でした。個人的にしたことがないが、自分の子ども3人に柔道を経験させた。最終的にはラグビーをさせたが、柔道は教育的な競技であるため経験させました」と説明。フランスでの柔道人気について、「どんな世代でもチャンピオンがいるので、耳に入る競技です」と述べた。

WTBのジュールス・ファーブルは子供の頃に経験があり、「相手の力を使うこととか、投げるところ。相手を崩すこと、タックルすることなどにも使います」と柔道で会得した技が生きているとした。