ラグビーの日本(世界ランク10位)が、強豪フランス(同2位)との2連戦を前に窮地に陥った。

2日の第1戦(豊田ス)に向けて、6月30日はメンバーを発表。19年W杯で中心のフッカー堀江翔太(36=埼玉)、同25日ウルグアイ戦で先発したSH斎藤直人(24=東京SG)とFB野口竜司(26=埼玉)の3人が新型コロナウイルス感染症の陽性判定を受けて離脱した。負傷者が多く、いまだにコロナ禍に振り回される中、欧州王者と激突する。

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来年のW杯フランス大会に向け、本格的な強化をスタートした日本が、いきなり困難に直面した。主力で編成され、事実上の今季初戦となったウルグアイとの第2戦(6月25日)で活躍したSH斎藤とFB野口、精神的支柱でもある堀江の3人の離脱が決まった。同行する理学療法士が発熱し、施術を受けた3人が抗原検査を受けた結果、陽性反応を示したという。

代表の藤井雄一郎ディレクターは「今は(合宿地の)宮崎で隔離している状況」と明かした上で「無症状なので症状が出なければ、次のフランス戦(7月9日)には戻れる」との見通しを明かした。会見したジェイミー・ジョセフHC(ヘッドコーチ)は「この2年半は(コロナ禍で)ほとんど試合ができず(強化が)遅れている」と危機感を抱いており、協会側は是が非でもシックスネーションズ(6カ国対抗)を全勝優勝した欧州王者フランスとの2連戦を開催する方針だ。

負傷を抱えるNO8姫野、SO松田、WTB松島ら中心選手が不在。その上、いまだにコロナ禍に振り回される現状。ただ、歩みを止めるわけにはいかない。

SHとFBは19年W杯メンバーの茂野、山中を起用し、CTBには早大出身の中野を抜てき。ジョセフHCは「フランスはセットピースが強い。ラインアウト、スクラムをしっかり対応し、自分たちの攻撃をする」と分析。期待するSO山沢については「ティア1(世界の強豪10カ国)の重圧に耐えられるか、しっかり見てみたい」と話した。

過去フランスには1分け9敗。日本の代名詞は「ONE TEAM」。一丸となって初勝利をつかむ。