9月の世界選手権(ブルガリア・ソフィア)で、24年パリ・オリンピック(五輪)の出場枠を狙う新体操日本代表の「フェアリージャパン」と、東京五輪代表の喜田純鈴(21)が28日、都内で演技を公開。代表スポンサーであるPOLAによる新メーク「Japan Beauty 勝色(かちいろ)メーク」も披露した。

同選手権の団体で表彰台に上がれば、24年パリ五輪の出場枠がいち早く取れる。日本体操協会の村田由香里新体操強化本部長は「何とかパリ五輪の枠を取りたい。今の出来は80%。それを残り1カ月半で100%に持って行く」と意気込んだ。

今季は、フープの曲は「オペラ座の怪人」、リボン・ボールはスペインの名曲「グラナダ」を使用する。ともに、欧州では非常に知られた曲で、「欧州の人たちにイメージがつきやすい。心に響く」(村田強化本部長)と、心情などに訴えやすい選曲となった。

曲は欧州の名曲だが、演じる選手たちのメークは、しっかり日本の良さを出す。「ジャパンブルー」と呼ばれた古来からの藍より濃い黒に近い色をアイカラーに採用。立体感を出し、日本人の肌色を際立たせる役目を果たす。

主将で、東京五輪の代表でもあった鈴木歩佳(22)は「東京五輪では、あれだけ練習しても悔しい思いをした」と、期待されながらの8位に悔いを見せる。今でも「わたしがキャプテンでいいのか」と悩む日々だが、「しっかりとまとめたい」。

課題は、今季からのルール変更への対応だ。1例として、手具の交換がある。過去の規則だと、手具を投げるのは、身長の倍以上の高さか、最低6メートルの距離のどちらかをクリアすれば良かった。しかし、今季から、高さは同様で、距離は8メートルに伸び、高さも距離も両方満たさなくてはならない。小柄な選手が多い日本にとっては、2メートル余計に飛ばすパワーに緻密さが必要だ。

ウクライナへの軍事侵攻で、ロシアとベラルーシが、9月の同選手権には出場できない。東京五輪後の21年世界選手権(北九州)では、団体総合4位だった。ロシア(当時はロシア連盟)が優勝し、ベラルーシが3位だったため、その両国がいない今年は、十分に表彰台のチャンスはある。