全国高校総体女子バレーが徳島県で開幕。予選グループ戦が29日に行われ、東北勢6校中4校が決勝トーナメントに進出した。2年連続10回目出場の米沢中央(山形)は、2-1で坂出商(香川)に勝利。第3セット(S)、2年生エース亀井達子の連続得点から流れをつかみ接戦を制した。

第1Sは相手のミスもあって25-15と圧倒。初戦の緊張はあったが、自分たちの形でうまく入ることができた。第2Sも序盤は5-1と好発進。だが、6-3からミスで相手に流れを渡し、5連続得点で逆転を許すと、そこからズルズルといき18-25で落とした。亀井は「相手にリードされたときに巻き返す力がない。レシーブも安定しなくなって、ラストも決めきれない状態だった」と振り返った。

最終Sは膠着(こうちゃく)した展開。15-15まで互いに3連続得点も許さない点の奪い合い。その苦しい展開を亀井が打破した。エースの一発を皮切りに8連続得点と相手を一気に突き放した。亀井は「決めないといけないところで点が取れて、そこから全員で攻める流れを作れたことはよかった」。最後は亀井がブロックアウトを誘い、試合を決めた。

昨夏は2回戦で敗退。今年の春高バレーは16強に終わった。当時1年生だった亀井はあまりチームに貢献できなかったが、今年は違う。任されたのは、昨季のチームを率いた姉・亀井美子元主将(19、埼玉上尾メディックス)と同じエースだ。亀井は「エースとしてどんなボールでも打ち切りたい。百発百中で決まるように、セッターの子と話して合わせていきたいです」とエースの自覚を語った。

8強の壁を越え、その先の日本一へ。亀井は「今年の春高でベスト8に行けなかった分、そこを勝ちきれるように。決勝トーナメントでも自分たちの試合をして上に行けるように頑張りたい。目標は日本一です」と言い切った。姉から受け継いだ米沢中央の新エースが、日本一に向け高く羽ばたく。【濱本神威】