6年ぶりの頂点を狙った東北(宮城)の挑戦が幕を閉じた。高田商(奈良)との準決勝。1-1の同点で迎え、試合は「3番勝負」に突入した。個人戦準Vの浅見竣一朗と初鹿暁哉(ときや)の「2年生ペア」に勝負の命運が託されたが、0-4で完敗。昨春選抜から立ちはだかる同じ相手に3季連続で競り負け、またもや「3位入賞」となった。今夏は出場3ペア6人中、4人が2年生。この経験を新チームの糧として再出発する。

優勝まであと少しだが、その少しが遠かった。3季連続で同一カードとなった高田商との準決勝。「3番勝負」にもつれる熱戦も、浅見・初鹿ペアは0-3と崖っぷち。マッチポイントを握られ「仲間の分も…」。2人は気持ちを奮い立たせ、2連続得点で土俵際で気を吐いたが、最後は相手の絶妙なドロップショットが決定打に。浅見がラケットを伸ばすも、ボールにあと数センチ届かなかった。「意表を突かれてしまった」。向こうが一枚上手だった。

個人戦準Vコンビが何度も顔をしかめた。後衛の浅見がコースを狙い澄まし、フォアで打ち込むも、相手の前衛に阻まれる。初鹿も強気にボレーで仕掛けるも、簡単には決まらない。1度も主導権をつかむことはできず、ストレート負けを喫した。浅見は「守備的になってしまった」と肩を落とした。

「(浅見)竣一朗とペアを組む」。初鹿は中学3年の時にそう決意したという。埼玉県出身の2人は、小、中学校時代はライバル関係にあった。初鹿は「(浅見が)東北に行くことを知って、入学を決意した。一緒にプレーしたかった」。全国屈指の強豪校の門をたたき、入学当初からタッグを結成。浅見は「めちゃくちゃ仲良し」と相方を「トッキー」と呼ぶ。同郷の結束力は強く、コート上でも息ぴったり。準決勝までの3試合(1試合打ち切り)は負けなし。3位入賞に貢献した。

今大会を経験した2年生2ペアが来年も残る。浅見は決意を口にした。「1歩1歩、ステップアップして借りは返す」。この敗戦を糧に、3季連続で涙をのむ「準決勝の壁」を打ち破り、優勝旗をつかみにいく。【佐藤究】

○…東北・中津川澄男総監督(男子が団体戦3位)「最低限のところまで頑張ったとは思うんですけど、その上に行くためには勝負する勇気がないと。試合の中で思い切りが足りなかったのかな」