7月の世界選手権で銀メダルの玉井陸斗(15=JSS宝塚)が4連覇を遂げた。予選491.85点でトップ通過すると、決勝では511.60点をマーク。2位大久保柊(昭和化学工)に86.30点差をつけて圧勝した。

男子高飛び込みでは寺内健の5連覇に次ぐ2位タイの大会4連覇。「連覇を途切れさせては駄目だと思っていた。優勝する自信はあったが、安心した」。高校1年の若き王者に風格が漂う。

決勝3本目に大技109C(前宙返り4回半抱え型)を決めて、リードを広げた。最後の6本目には得意の5255B(後ろ宙返り2回転半2回転半ひねりえび型)で、水しぶきを立てない「ノースプラッシュ」で入水。97.20の高得点で締めくくった。

結果を見れば圧勝でも、本人は納得していない。「決勝では高得点が出たけれど、しっくりこなかった。感覚は予選のほうが良かった」。2年前の大会でたたき出した528.80点を意識していたと明かし、悔しさをにじませた。

東京五輪で7位入賞を果たした高飛び込みに加え、板飛び込みとの“二刀流”でパリ五輪を目指す。前日の3メートル板飛び込みでは途中までトップに立ちながら、終盤のミスが響いて3位。「修正するというよりは、忘れることだけを考えていた」。しっかり気持ちを切り替え、得意種目で堂々たる強さを見せつけた。

【奥岡幹浩】

〇…日本飛び込み界のエース玉井は、兵庫.須磨学園高に通う高校1年生。国語や社会など文系科目が得意と話す一方で、「数学とかはだいぶ苦手。嫌だなと思いながらやっている」と笑う。夏休みの課題は「3分の1ぐらい終わっているはずです」。

◆玉井陸斗(たまい.りくと)2006年(平18)9月11日、兵庫県宝塚市生まれ。小1で飛び込みを始める。19年日本室内選手権で12歳7カ月の史上最年少優勝。中学3年で出場した21年東京五輪では高飛び種目で日本選手として21年ぶり入賞を果たし、22年世界選手権では日本勢同種目初の銀メダルを獲得した。好きな食べ物は牛タン。憧れの選手は寺内健。身長160センチ、体重55キロ

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