昨秋から千葉・船橋市のMFアカデミーに所属する今関友梨香(13)が、有観客の競技会で思いを滑りに込めた。

冒頭で3回転フリップ-2回転トーループを着氷させたが、続く3回転ループで転倒して39・02点の15位。満足いく演技とはいかず「お客さんが入った試合は久しぶり。緊張したり『頑張ろう!』というのが出過ぎて、脚がフワフワしてしまいました」と振り返った。

苦しい2年間だった。20年3月に股関節に痛みが生まれ、同年7月には歩くことが難しい状態に追い込まれた。そこまでは「折れていない」と診断されていたが、骨折が判明。医師から「休まないと次にやったら手術になる」と告げられ、長期間、氷から離れることになった。

滑れるようになったのは21年9月。以前のコーチがプライベートの事情で拠点を変えることとなり、病院などのサポート環境も考え、親しみのある千葉のMFアカデミーで11月に再スタートを切ったという。リハビリ期間中は同年代の選手が競技会で滑る姿を画面越しに見ながら「早く治して頑張ろう」と自らを奮い立たせた。

迎えた今季。7月のアクアカップ(千葉)で約2年ぶりに競技会復帰を果たしたが「たくさんの課題を改善して今回の試合に臨もうとしていたところ、急にジャンプのイメージがなくなってしまった」と苦しんだ。試行錯誤の日々が続く。

今大会は11、12日にSPが行われ、上位24人が13日のフリーに進む。夏の貴重な競技会を、成長への糧にする。【松本航】