昨夏の東京オリンピック(五輪)50キロ級で金メダルを獲得した須崎優衣(23=キッツ)が、全4試合を無失点の完勝で18年以来3度目の優勝を成し遂げた。

前日は準決勝まで。初戦の2回戦でベトナム選手を41秒、3回戦でポーランド選手を30秒で秒殺。準決勝ではナイジェリア選手に8-0でフォール勝ちした。

決勝では、昨年3位の難敵昨年オトゴンジャルガル・ドルゴルジャフ(モンゴル)と対戦。がぶり返しの先制からフォールに持ち込んで4-0。最後も1分23秒の早業で金メダルを獲得した。4試合すべて相手を第1ピリオドで退ける圧勝劇だった。

24年パリ五輪で2連覇を目指しており、試合後は「パリに向けて新たなスタートを切れた。ここから上げていって必ずパリ五輪に出場したい」と、まずは12月に始まる代表選考レースを見据えた。

世界選手権は高校3年時の17年に初出場して48キロ級を制覇。早大1年だった18年は50キロ級で優勝した。東京五輪では日本選手団の旗手も務めて注目された。

65キロ級では昨年2位の森川美和(23=ALSOK)がリベンジ。決勝で中国のシア・ロンを2-0で下して初の世界一となった。こちらも全3試合を無失点。東京・安部学院高で同期だった2人が、そろって初の頂点に立った。

前日は、東京五輪53キロ級の金メダリストで今大会は55キロ級の志土地(旧姓向田)真優(25=ジェイテクト)と62キロ級の尾崎野乃香(19=慶大)が優勝。日本勢の今大会の金メダル数は計4個となった。【木下淳】