B1仙台89ERSが最後のプレシーズンゲームを勝利で飾った。B2福島ファイヤーボンズをホームに迎え、73-61で勝利。プレシーズンゲーム初先発の渡辺翔太(23)が積極的なペイントアタックとゲームメークで勝利に貢献した。福島は前半を34-28とリードで折り返したが、後半に息を吹き返した仙台の堅守を最後まで崩せなかった。B1、B2リーグはともに10月1日から開幕する。

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第1クオーター(Q)から、仙台89ERSらしい試合を展開した。開始から3分間、持ち味の堅守で福島に得点を許さず。今季から加入したネイサン・ブース(28)が2連続で3点シュート(3P)を決めるなど、残り5分30秒で10-3。しかし、福島の3Pが決まりだすと攻守が停滞。第1Qを17-22で終えると、第2Qはわずか11得点に抑え込まれた。

後半からは攻守で流れを取り戻した。第3Q開始から2分の間に8-0のランで36-34と逆転。強度を増したディフェンスは福島の足を止め、第3Qを11失点に抑えた。第4Qは小寺ハミルトンゲイリー(38)ジャスティン・バーレル(34)ブース3人のビッグマンと、小林遥太(31)、渡辺のポイントガード2人が先発。第4Q開始から4分間試したこの布陣に渡辺は「一番いい時間帯だと思いました」と振り返った。「ディフェンスはゾーンがはまり、オフェンスではミスマッチをしっかり攻めることができた。すごくよかったと思います」。昨季にはなかったシステムに好感触を得た。

6季ぶりのB1に、ブースターの期待も高まっている。この日はプレシーズンゲームにもかかわらず、2861人のブースターがアリーナを埋めた。藤田HCは「これだけお客さんが入ってくれるとは思っていなかった。福島からもたくさんのファンの方に来ていただいていたように思いますし、プレシーズンの最後に良い形でゲームができてすごくよかったです」とブースターに思いを寄せ、渡辺は「たくさんの方々が来てくださった。B1でも黄援の後押しをしていただきたい」と共闘を呼び掛けた。プレシーズンゲームを最高の形で締めくくった仙台がB1開幕へ勢いづく。【濱本神威】

<B2福島橋本尚明、ブースターに共闘呼び掛け>

昨季、B1島根から期限付き移籍により福島でプレーし、今季正式に契約した橋本尚明(30)は「1Qから3Qで相手に食い付いていけたのは確か。でも相手に流れを持っていかれたときにどう攻めるのか、誰を起点に攻めるのかが不明確」と総括。この日も含めてプレシーズンで9試合を戦い、チームとして多くの課題を得た。開幕に向け橋本は「僕たちだけではB1に上がれない、最後の後押しはブースターさんだと思う。みんなで強い福島をつくり、B1にふさわしいチームとなれたら。応炎よろしくお願いします」とブースターに共闘を呼び掛けた。