日本ハンドボールリーグ(JHL)は21日、24年9月の開幕を予定するプロリーグ(新リーグ)の参入チームを発表した。
都内で記者会見に臨んだ葦原一正代表理事は「スタートラインに立てた」と思いを口にし「今回の一番のポイントは(男女)18チーム全てがホームアリーナを確保できた。(収容)1500人以上で松やにを使えるアリーナを確保するのは、今までは相当難しかった。大きな1歩」と前向きに語った。
8月末の書類申し込み期限までに、男子9チーム、女子10チームが申請。女子のプレステージ・インターナショナルアランマーレ(富山県)が事前に申請を取り下げ、参入審査委員会の審査によって残る18チーム全てが内定となった。
一方、うち8チームは「条件付き」での内定。その全てが「財務要件」を含んでおり、23年3月末で締めきった上で、あらためて参入審査委員会が確認し、4月のJHL理事会で最終的に判断する見通しという。
新リーグ参入審査委員長を務めた米田恵美氏は「財務要件がとくに難しかった。審査している最中にも進捗(しんちょく)があり、財務要件がどこまで確保できているかはチームで濃淡がある。『あとちょっと』だったり、まだ動きだしたばかりで、見えていないチームもある。動きがあるものを、このタイミングで全てバッサリいくというのは適切ではないのではないか。進捗(しんちょく)を確認しながら、もう少し様子を見てもいいのではないかと考え、理事会に提案させてもらった」と説明した。
財務要件には以下のポイントがある。
〈1〉年会費を毎年遅延なく支払いができ、また一定の選手投資をできる財務基盤であること
〈2〉チームとしての事業計画書(支出サイド/3年)を提出すること。支出計画は2024~2026年の3カ年
〈3〉リーグが必要に応じて提出を求めた資料について速やかに提出すること
葦原代表理事は条件付き内定について「それをやったら『甘いじゃん』と絶対にファンの方に言われる」としつつ「理事会でも3時間、議論をしました。審査委員会から『(チームが)変わりつつある。本気で変わろうとしている』と話があり『そこまで言うならそこに懸ける』と決めた。ハンドボール界の未来を感じた」と力を込めた。【松本航】
◆新リーグ参入内定チーム(※は条件付き内定)
◇男子(9チーム)
アースフレンズBM(東京都)※財務要件、支援書要件(行政)
富山ドリームス(富山県)※財務要件
福井永平寺ブルーサンダー(福井県)
大同特殊鋼Phenix(愛知県)
トヨタ車体ブレイヴキングス(愛知県)
豊田合成ブルーファルコン(愛知県)
TeToTeおおさか堺(大阪府)※財務要件
トヨタ紡織九州レッドトルネード(佐賀県)
琉球コラソン(沖縄県)※アリーナ要件、財務要件、支援書要件(行政)
◇女子(9チーム)
北国銀行ハニービー(石川県)
飛騨高山ブラックブルズ岐阜(岐阜県)※アリーナ要件、財務要件、支援書要件(行政/県協会)
HC名古屋(愛知県)※財務要件
三重バイオレットアイリス(三重県)※財務要件、支援書要件(県協会)
大阪ラヴィッツ(大阪府)※財務要件
イズミメイプルレッズ(広島県)
香川銀行GiraSol(香川県)
オムロンピンディーズ(熊本県)
ソニーセミコンダクタマニュファクチャリングブルーサクヤ(鹿児島県)