18年平昌オリンピック（五輪）500メートルの金メダリスト小平奈緒（36＝相沢病院）が、地元長野での現役ラストレースを優勝で飾った。12組中11組目、満員の慣れ親しんだリンクに大歓声を浴びて登場。37秒49の好タイムで、北京五輪銀メダルの高木美帆（28＝日体大職）を0秒69上回った。

レース後、取材エリアでの主な一問一答は以下の通り。

－振り返って

過去の自分には届かなかったんですけど、本当に夢にまで見た空間の中で滑ることができたというのは、五輪でメダル取った時よりも、世界記録に挑戦した時よりも、ずっと、私にとって価値のあるものだったなと感じました。

－（98年）長野五輪とは違う景色だったのか、下から見ていて

画面越しでは伝わってこなかった人のぬくもりが感じ取れましたね。人生で初めて鳥肌が立ったのが（小学5年の時にテレビで観戦した）長野五輪だったんですけど、鳥肌を越えて、心が震えて（心臓が）飛び出てきそうな感じでした。

－滑っている最中は。37秒49はどうだったか

氷とのやりとりを深く。にはじかれないように、足が氷にくっついてるんじゃないか、っていうくらい、ビタッと寄り添うような感じで、スケーティングできて。最後はもうカーブを越えたら転ぶ心配がなかったので、あとはもう歯を食いしばって、持てる力を全て出し切ってゴールしようと思って、滑りました。

－ゴールした時の気持ちは

無事にゴールを切れたというのが、まずあったんですけど、もっと涙でいっぱいになるのかなと思ったんですけど、すっごい楽しくて。楽しかったです。

－その涙は

うれし涙です、ふふっ。

－スケート人生30年はどうだったか

自分の人生の中で、ここまで成長させてくれたものがスケートでした。スケートをきっかけに多くの方との関わりがあって、ここまで続けてくることができたので、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがたいな、という気持ちでいっぱいです。

（続けて）ちょっといいですか？　これまで、選手として氷に向かう集中力を大切にしたくて、皆さんからの取材とかお断りすることが数年間、多かったと思うんですけど（声を詰まらせ）皆さんがいなかったら長野五輪という、最高の夢の舞台の映像もこの目で見ることができなかったですし、そこを目指す、世界の頂点を目指す選手たちの苦労、努力する姿が目にすることができなかったと思うので。選手の頑張りを（スケートを始めるきっかけとして）小さかった私に届けてくださった皆さんに感謝したいなと思っています。ありがとうございました。

－小平奈緒という作品の最後の作品はどうだったか

ワクワクして、大好きなスケートを滑っている、ありのままが全て表現できたんじゃないかなって思ってます。